消化器内科で働く看護師に求められるスキル

消化器内科で働く看護師に求められるスキルには、主に次のようなものがあります。

まず、消化器全般の知識と看護技術です。消化器は臓器全般を扱うといっても過言ではありません。人は毎日栄養を摂取し、消化し、排泄して生きていますから、臓器のほとんどが消化に関わっており、疾病の種類も多く、それに伴う症状も多岐にわたります。さまざまな患者に対応するためには、解剖学をはじめ臓器全般の医学知識が不可欠なのです。また、がん患者も多いので放射線治療や化学療法についての知識も必要です。また、消化器内科の処置ではストーマのケア、経鼻栄養チューブの管理、点滴、内視鏡治療の補助など、さまざまな手技に習熟する必要があります。これら以外にも消化器内科で働きたい看護師が活かせる資格を、頭に入れておくと良いでしょう。

次に、観察力も重要なスキルです。消化器の疾患は、検査データだけでは状態が把握できない患者が大半です。たとえば循環器内科では、心電図で患者の異常を察知できます。しかし、消化器医療では、リアルタイムに状態を把握できる計器がありません。データに頼れない分、患者の観察によるアセスメントが重要になるのです。そしてコミュニケーションスキルも不可欠です。慢性疾患やがん患者も多いですから、しっかりとコミュニケーションを取り、精神的な苦痛を和らげるためのサポートを行うことも重要な仕事です。また、食事制限など生活指導の際にもコミュニケーションスキルは重要となります。